■〔映画鑑賞メモVol.16〕『ディパーテッド』(2006/マーティン・スコセッシ) |
**『ディパーテッド』の鑑賞メモに直接飛ぶ≪→こちら!≫ ―& 第79回アカデミー賞(2月25日)を楽しむ! ◆その2・「映画鑑賞券争奪((^^)・4者によるアカデミー賞6部門受賞予想結果、および、雑感」~監督賞、作品賞篇 ◆その1・「4者によるアカデミー賞6部門受賞予想」篇はこちら! こんにちは、ダーリン/Oh-Wellです。 さて、14日のホワイト・デー、皆さん、如何お過ごしでしたでしょうか。 女性の方々は、あれこれ贈り物を渡した数だけお返しを受けましたか?^^ おそらくは、男性よりも女性の方が楽しい一日だったことでしょう!^^ ―さて...、私め、 この3月は中々エントリーを出来ず仕舞い、また、ウェブ上に遊びに出ることすら中々出来ず仕舞いの少々多忙な日々が続いて居たのですが、昨日中、仕事等々が一山越えたので久々(14日ぶり!)のエントリーをしてみます。 今回は、「第79回アカデミー賞授賞式」でスコセッシに待望のアカデミー監督賞をもたらしたばかりではなく、監督賞、作品賞を含む4部門を制した『ディパーテッド』(2006)の鑑賞メモ≪→直接飛ぶ≫、さらに、当方の予想の的中具合((^^)、セレモニーの録画ヴィデオを鑑賞しての雑感等々を書き残しておきます。 ―尚、「演技賞篇」(※下Phは演技部門受賞者4人。左から、フォレスト・ウィッテカー:主演男優賞受賞、ジェニファー・ハドソン:助演女優賞受賞、ヘレン・ミレン:主演女優賞受賞、アラン・アーキン:助演男優賞受賞)は、或る作品の鑑賞メモと共に後日追ってエントリー致します。 ●●「第79回アカデミー賞受賞予想結果、および、授賞式雑感」~監督賞、作品賞篇 さてさて、「第79回アカデミー賞」、すでに、受賞結果〔◆allcinema ONLINE〕は皆さん御周知のことでしょう。 そう、前回の授賞式を僕なりに一言で言い表わせば「ポール・ハギスという映画人を世に知らしめた授賞式」とでも為るとすれば、今回は、スコセッシに改めて大きな脚光が当たった授賞式とでも言えるものかと素朴に感じました。 今回の各作品のオスカー獲得数を見ると、4部門の『ディパーテッド』が最高、これに次ぐのが3部門の『パンズ・ラビリンス』、さらに、2部門の『リトル・ミス・サンシャイン』、『ドリームガールズ』、『不都合な真実』といった按配で、前回同様に5部門、6部門以上を制するような大勝作品が無かった訳ですが、前回のオスカーのエントリー記事中などでも書いたように、授賞式を眺めている分には一作品が独占して行くよりは余程面白いかと僕は思う次第です。 ともかく、『ディパーテッド』は5部門にノミネートされ「助演男優賞」以外の4部門を制した訳で大健闘かと思いますし、「外国語映画賞」部門を始め「脚本賞」をも含む6部門にノミネートされ3部門(撮影賞、美術賞、メイクアップ賞)を制した『パンズ・ラビリンス』(2006/ギレルモ・デル・トロ)なども大健闘ですよね。今秋の公開が待ち遠しい限りです! また、「作品賞」を含む3部門にノミネートされ2部門(脚本賞、助演男優賞)を制した『リトル・ミス・サンシャイン』(2006/ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス)、ノミネートされた「長編ドキュメンタリー賞」、「歌曲賞」両方を制した『不都合な真実』(2006/デイヴィス・グッゲンハイム)なども僕に取ってそれぞれに印象に残る受賞結果となりました。 そう、『ドリームガールズ』(2006/ビル・コンドン)は6部門8ノミネートで「助演女優賞」「録音賞」の2部門を制した訳ですが、作品関係者にとってはミュージカルで「歌曲賞」を逃した痛恨さは勿論想像に難くないのですが、この部門に自分たちの映画から3曲もがノミネートされてしまったこと自体が既に痛恨であり“ありがた迷惑”であったかもしれませんよね。^^ もう、端的に言えば、3曲に票が割れてしまい、一つの突出は難しくなる訳ですから…。 ビヨンセ〔左〕、ジェニファー・ハドソン ともかく、今回もまた一言では言いくるめられぬ楽しさのあるショー・セレモニー、エンタテイメント・ショーであったと思います! そう、初めてオスカーの司会を担当したエレン・デジェネレス〔◆IMDb◆公式サイト〕も十分にオスカー司会者(ホスト)の責務をまっとうしていたかと僕は思います。 この一大セレモニーにあっては、司会者と言えども、授賞式中の登場回数も、それぞれに費やせる時間も限られている訳ですが、エレンは、各部門の授賞セレモニーの間合いというものにあって、候補者たちに対しては如何にリラックスさせるかという点に於いて、また、参席者一般、視聴者に対しては如何に楽しくショーを先に繋いで行くかということに於いて、繰り返しに為りますが十分に責務を果たしていたと言えるかと思う次第。 ―さて、ここいら辺りで、当方での4人の受賞予想の的中具合を纏(まと)めておきます。 -------------------------------------------------------------------------------------- *6部門の「本命予想」に於いて、 全部門制覇→0人 5部門制覇→0人 4部門制覇→0人 3部門制覇→1人(ダーリン/多摩代表^^) 2部門制覇→1人( juneさん/東京代表) 1部門制覇→1人(Kazさん/石川代表) ★スカ((^^;→(ホームズさん/多摩代表) ―尚、私め、「対抗予想」を含めれば、6部門中5部門で的中を果たしました~! ・・・と、まぁ、一応、言い添えておきます^^ そして、何よりも、御三方の御健闘に感謝! ホームズさんのスカ(=的中ゼロ)は果敢な本命予想の果てのもの。 もう^^、作品賞に『クィーン』、主演男優賞にピーター・オトゥール、助演男優賞にジャイモン・フンスー、さらには、助演女優賞に菊地凛子・・・^^と云った果敢な賭けに等しい((^^;スリリングな予想の数々は目の覚めるような忘れがたいものでした。もう、これ以上と無い面白い本命予想を頂き(笑)、友人として心より感謝しています。そう、次回はスカッと((^^)4部門、5部門くらいはお当てくださることでしょう!!^^ juneさん、Kazさん、ホームズさん、授賞式前に、各部門に候補を出した諸作品を殆ど観れない中での「本命予想」を頂き誠にありがとうございました!! -------------------------------------------------------------------------------------- さて、引き続きましては、監督賞、作品賞の予想結果、受賞結果の雑感、そして、『ディパーテッド』の鑑賞メモを。 >> 「監督賞」の本命予想結果 ◆◆受賞予想、および、結果 ★マーティン・スコセッシ~『ディパーテッド』⇒ダーリン ●この部門は、僕だけが的中。しかし、ホームズさん、Kazさんがイーストウッドを本命に挙げたことには、僕などは密かに心打たれておりました。そう、僕が「対抗」に置いたイーストウッドは、『硫黄島からの手紙』に於ける4部門のノミネート中、自身がオスカー対象となっていた監督賞、作品賞(※スピルバーグ、ロバート・ロレンツと並び、製作者の一人として授賞対象者と為っていた)のいずれも逃した訳ですが、まぁ、今回は分が悪かったということでしょう。 そう、クリント御大ってオスカー受賞に自信がある時はお母様を連れて来ますよね?^^ 今回は、齢95には為るであろう彼女の姿が見当たらなかった時点で、僕などは「今回はスコセッシのオスカー・イヤーと為るのでは...」との予感が走りもしたものです―って、録画で見た時には勿論既に結果を知っていた訳です、はい。^^ しかし、イーストウッドは今回も栄誉有る重責を果たしています。そう、エンニオ・モリコーネ(1928年生)に授与された「アカデミー栄誉賞」に於いて、他に取替えの利かぬプレゼンテーター役を見事に果たしてくれていましたよね!! ★ともかく、この監督賞にあっては、コッポラ、ルーカス、スピルバーグと云ったアメリカ映画界の重鎮たちが登場するやこのセレモニーの興奮は否が応にも高まりましたね。 そう、三人が一頻(ひとしき)り漫才のような遣り取り(―詳細は措きますが、三人の中でもって唯一監督賞の受賞が無いルーカスが自虐的に振舞うさまが秀逸でした^^)を見せてくれた後、候補者の名がイリャニトゥ、スコセッシ、イーストウッド、フリアーズ、グリーングラスの順に告げられて行った訳ですが、自分の名が告げられるまでのスコセッシの目は少々虚ろだったようにも^^見えました。尤も、名が告げられた後にはすぐに壇上の友人たちに向けて人懐っこい笑顔を見せていましたけれども…。 さて、最後の候補者名の発表が終わると、スピルバーグが封筒を開けながら他の二人に「離れて」と言いつつステージ中央のマイクに寄る。そして、スコセッシの名が読み上げられるやルーカスなどひとしきり歓声を挙げ身をそらして拍手。舞台袖に控えるニコルソンも、最前席のディカプリオも満面の笑顔で祝福、ウォールバーグは指笛を吹きながら祝福、イーストウッドも笑顔で祝福の拍手を続ける…、当然、会場全体がこの日一番の拍手と大喝采に包まれる! 壇上に挙がったスコセッシは三人それぞれとひしと抱き合う。「サンキュー、サンキュー、サンキュー、サンキュー、サンキューリック(←リックって誰?^^)」、その後もスタンディング・オベーションを続ける会場の映画人たちにしばらく「サンキュー」を繰り返す。 ―以下、この日のスコセッシのスピーチを(番組中の字幕を頼りに自分なりに解釈できた範囲で)書き残しておきます。 「(※壇上中央に立ったスコセッシがスピルバーグの方を振り返り)もう一度チェックしてくれないか。^^ この栄誉をアカデミーからもらえて、そして、古い親友たちから賞を授与されて本当に光栄です。とてもとても感動している。 (※ワーナー・ブラザーズ映画、グレアム・キング等何人かの製作者、20年来の仕事仲間というジョー・リーディー等々の名を早口で並べた後、)ウィリアム・モナハンのクレイジーな脚本^^が問題作の第一歩でした。そして、アンドリュー・ラウが撮った素晴らしい香港オリジナル版映画、撮影のマイケル・ボールハウス(※日本では、ミヒャエル・バルハウスと表記されることが多い)、ハワード・ショアの素晴らしいスコア、古い親友で編集のセルマ・スクーンメイカー、キャスティングのエレン・ルイス、 亙る親友セルマの受賞スピーチに涙ぐんでいたスコセッシも殊のほか印象的でした。 そして、キャストの皆のお陰だ。ジャック・ニコルソンの閃きにも助けられた(―※ここいら辺、特に良く聞き取れず。スコセッシは非常に早口なのです)。ディカプリオとは6年半一緒にやって来た。今後も12年、15年一緒にやろうな(―レオ、笑顔で頷く)。そして、マーク・ウォールバーグ、マット・デイモン、アレック・ボールドウィン、レイ・ウィンストン、ヴェラ・ファミーガ、マーティン・シーンにも感謝します。 長年に亙って私の受賞を願ってくれた人たちがいます。街中でも病院でもエレベーターでも見知らぬ人が声を掛けて来てくれた。「いつか獲れるよ」と言ってくれた人たち、ありがとう。長年の友人たちと今夜会場に居る友人たち家族にもこの賞を捧げたい。(―そして、妻子の名を挙げて行き、)TVで観ている7歳のフランチェスカ、あと10分我慢したら騒いでいいよ。明朝会おう。サンキュー!」 今回のこの授賞セレモニー、スコセッシと云う映画監督の人徳というか、如何にアメリカ本国では一般の映画ファンからのみならず、多くの俳優、映画人たちに敬愛されて来たかと云ったところが良く見て取れるかと思います。これまで過去5回受賞出来なかったのは、この才能ある監督にこの映画でオスカーをあげて良いのかなという深謀遠慮のよう意識がアカデミー会員たちの多くに常に働いていた結果なのかも知れないと僕は思う次第です。まぁ、人それぞれ解釈はさまざまでしょう。^^ >> そして、「作品賞」の本命予想の当落^^です! ◆◆受賞予想、および、結果 ★『ディパーテッド』(マーティン・スコセッシ)⇒Kazさん ジャック・ニコルソンとダイアン・キートン ●この作品賞部門の4人の本命予想は見事に^^4通りに分かれた訳ですが、ただ一人、Kazさんだけが見事に的中!! 僕は、勿論^^「対抗」で推していました。 そう、僕が「本命」に挙げた『硫黄島からの手紙』はノミネートされた4部門中「音響効果賞」のみの受賞ではあったものの、まずもって、現在最高のアメリカ人映画監督の一人と言えようイーストウッドによって、ほぼ全てのキャストが日本人、ほぼ全篇日本語、ほぼ日本側の視点に寄って描かれた映画が作品賞候補5つに残ったことだけでも大きな意義があると思います。 そう、僕はアカデミー賞作品賞を獲得した作品がその年のアメリカ映画の最上の一本となることはまず有り得ないと思います。それでも、アメリカのその年一年間の賞セレモニーの最後である「アカデミー賞」作品賞にノミネートされる5本の映画、そして、作品賞の栄誉に輝く映画は、決して侮れない大きな力、魅惑を持つものと僕は思っています。 今回作品賞の栄誉に輝いた『ディパーテッド』ですが、日本などでは賛否見事に別れるものの、アメリカ本国では観客にも批評家にも至って好意的、熱狂的に受け入れられているかと思えますし、それこそ『硫黄島からの手紙』のように日本の映画界では今後も中々作れそうも無い作品、また、小品ながら新味有る家族ドラマ、ロード・ムーヴィーとも言えよう『リトル・ミス・サンシャイン』と云った、二つのオリジナルな輝きを誇るアメリカ映画もある中で『ディパーテッド』にアカデミー会員たちの票が最も多く投じられたことは、少なくともスコセッシへの功労賞的意味合いであるなどと云ったこととは別の意味合いを僕なりには見い出せる次第。 つまりは、香港映画『インファナル・アフェア』(2002/アンドリュー・ラウ、アラン・マック)のリメイクではあっても、おそらくは、スコセッシのパワフルな演出力を見て取れる上に新味有るスコセッシ映画として、パワフルかつ面白いエンタテイメント・ムーヴィーとして、『ディパーテッド』という映画が多くのアカデミー会員の心を捉えたのだろうと僕なりには受け止めています。 ★うん、兎も角、ここは是非ともニコルソンが作品賞受賞作に『ディパーテッド』の名を発した瞬間の驚きを生中継で味わいたかったですねぇ…。もう、録画で観ていてすら、ニコルソンとダイアン・キートンがプレゼンターとして登場してから発表されるまでの時間は目を瞠りどきどきしてしまいますから、尚更、生中継で観れていたらと後悔してしまいますねぇ...^^ そう、発表直後のダイアン・キートンの大きな歓声がとても印象的でしたね、そして、舞台袖に居るスコセッシは驚いて少し固まっているように見えましたが^^、スピルバーグと抱き合ってからようやく受賞の実感を持てていたように見て取れました。ステージ上のニコルソンの御満悦の笑顔、候補者席のウォールバーグ、ディカプリオ等々作品関係者の喜びの爆発も、会場の大歓声も、授賞式を締め括るのに相応しい光景だったと思います! 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by oh_darling66
| 2007-03-17 06:28
| ■映画鑑賞メモ/鑑賞プチ・メモ
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●月初めのちょっとした^^ご挨拶―vol.3 |
●●こんばんは、ダーリン/Oh-Wellです。 早、3月を迎えましたね。今日は「桃の節句」、そして、言うまでも無く^^「耳の日」でもあります。 さて、ここ東京では、この3日間の日中は暖かな上に強い風もあまり吹かず過ごしやすい日和となっています。ただ、朝晩と日中の温度差はまだ大きいかと感じますし、まぁ、お互いに健康、体調管理には気を配っておきたいものですね。 そう、今年の冬はほぼ全国的に記録的な暖冬〔◆気象庁:冬(12~2月)の天候〕ということで終わりましたね。 この21日「春分の日」を迎える頃には、もう、ここ東京を含む関東地域なども心弾むような春そのものの陽気となっているのかもしれません。 そう、今年のソメイヨシノの開花(◆weathernews:桜開花予想2007)なども、暖冬の影響で平年に比べて全国的に可也早いとあちこちで見聞きします。確か、ソメイヨシノの東京の開花予想日を3月19日としている記事もありました。もし、この通りに為るとしたらちょっと怖いくらいに早いですね…。 ―ただ、幾つかの記事を眺める限りですと、鹿児島、宮崎などでは、開花に必要な“休眠打破”なるものが遅れるために(―或る友人の話によれば、桜は冬の間暖か過ぎると開花が遅れることがあるらしい。冬の寒さを然るべき期間経験した上での春の暖かさが開花には必要なようで…)、平年よりやや遅いソメイヨシノの開花となるとのことです。 この3月、そして、4月に架けては、日中の陽気に誘われて外に遊びに出かけたくなることが多くなる一方で、日中にも嵐のような強風が時おり吹くのが普段コンタクトレンズを使っている僕に取ってはとても辛いところ。この時期は僕に取っては一年中で最もサングラスが欠かせない時期だったりもします。 そう、サングラスと言えば、先日(2月25日)開催された「第79回アカデミー賞授賞式」〔◆当ブログ内「アカデミー賞6部門受賞予想」◆受賞結果(allcinema ONLINE)〕の作品賞プレゼンテーターにダイアン・キートンと共に登場したジャック・ニコルソンのいつにも増しての怪しげな風貌たるや、いやはや、唖然、慄然とさせてくれました…((^^; あの、スキン・ヘッドは何ゆえに? 何かのけじめの意味でも込められていたのでしょうか…。^^ 僕は実はまだこの日の授賞式を見れていないのですが、この日曜か翌月曜あたりにはようやく録画ヴィデオでこのセレモニーを眺めることが出来そうです。エレン・デジェネレスのホストぶりを、各部門の授賞セレモニーを、そして何よりも、マーティン・スコセッシが6度目のアカデミー監督賞ノミネート(※脚色賞でも2度ノミネートされている)にして初めてのオスカー(監督賞)を友人たちから授与された瞬間、さらには、作品賞発表の瞬間を早く見たい! ジョージ・ルーカス、スティーヴン・スピルバーグ ハドソン(助演女優賞)、ヘレン・ミレン(主演女優賞)、アラン・アーキン(助演男優賞) この鑑賞記などはオスカー受賞結果の雑感と合わせて追ってエントリーしたく思っています。 さて、3月は所謂「年度替り」を前にして殆どの勤め人が忙しい訳ですが、僕もこれまで通りにマイペースで更新を重ねて行きたいと思っています。 そんなこんなの按配ですが、皆さん、この3月も何卒宜しくお願いいたします! |
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by oh_darling66
| 2007-03-03 23:49
| ●月初めのご挨拶
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■〔映画雑談Vol.33〕第79回アカデミー賞(2月25日)を楽しむ! |
その1・「映画鑑賞券争奪((^^)・4者によるアカデミー賞6部門受賞予想篇」≪→直接飛ぶ≫ その2・「アカデミー賞結果篇」(⇒こちら!) こんばんは、ダーリン/Oh-Wellです。 そろそろ、仕事の方も楽に為りそうなのですが、「映画鑑賞メモ」にしても途中までに為っている「スコセッシ関連覚え書き」にしても、ぼんやりとあれこれをイメージする時間が持てず中々完成した形になりません。まぁ、のんびりと書けるものから書いてまいりますので何卒宜しくお願いいたしま~す。(^^)v ―さてっ、 「第79回アカデミー賞授賞式」(※米西海岸時間2月25日、LAコダック・シアターにて開催)もいよいよ5日後に迫って来ましたね! 下=「候補者公式昼食会」会場前の菊地凛子(助演女優賞候補~『バベル』) ◆◆アカデミー賞公式サイト >1:OSCAR.com - 79th Annual Academy Awards(OSCAR.com 公式サイト) >2:Academy of Motion Picture Arts and Sciences(映画芸術科学アカデミー公式サイト)|★公式日本語サイト >3:WOWOW(生中継:2月26日AM9:30~/再放送:27日PM20:00~) そう、例年のことながら、日本にあっては「アカデミー賞授賞式」までにすべての候補作品を観れる訳ではありませんから(※作品賞候補5作品に関しては、既に公開されたものが『硫黄島からの手紙』、『リトル・ミス・サンシャイン』、『ディパーテッド』の3作品。残りの2作品『バベル』〔◆公式サイト〕、『クィーン』〔◆公式サイト〕は4月GW公開予定とされている)、その受賞予想は中々難しいものですよね。 ただ、矢張り、予想を持った上で授賞式当日に臨んだ方が授賞式当日のスリルが増すこともまた経験上実感して来ており、今年も僕の身近な仲間内3人と共に「4者によるアカデミー賞6部門受賞予想」をしてみた次第です。 サミュエル・ゴールドウィン・シアターに於ける作品賞候補発表中スチル。中央の 二人はサルマ・ハエック〔左〕、映画芸術科学アカデミーのシド・ギャニス会長〔右〕。 作品賞候補5作品は、『バベル』(2006)、『ディパーテッド』(2006)、『硫黄島から の手紙』(2006)、『リトル・ミス・サンシャイン』(2006)、『クィーン』(2006) ゴンザレス・イニャリトゥ(『バベル(2006)』)、マーティン・スコセッシ(『ディパー テッド(2006)』)、クリント・イーストウッド(『硫黄島からの手紙(2006)』)、スティーブン・ フリアーズ(『クィーン(2006)』)、ポール・グリーングラス(『ユナイテッド93』(2006)) ―さて、 今回のエントリーは、当ブログで3度目の4者による「アカデミー賞6部門受賞予想」〔◆前回(第78回アカデミー賞)◆前々回(第77回アカデミー賞)〕な訳ですが、遅まきながら、オスカーを獲る可能性の強い作品、演技の特徴なり傾向なりが僕なりに多少は分かって来たようにも思います。^^ 例えば、 〔1〕演技賞、ことに、主演男女優賞に於いては、実在の、或いは、実在した著名人を演じた演技でノミネートされた場合は、それだけで高いアドバンテージとなる。同じ俳優からの票も素直に集まりやすい。 〔2〕前哨戦とされる授賞セレモニーに於いては、例えば「ゴールデン・グローブ賞」と「アカデミー賞」の受賞作、受賞者が一致するケースは少ないとも言われがちだが、ここ10年の作品、監督に限ってみてみると「LA批評家協会賞」などと比べれば一致数は多い。 ◆過去10年の、ゴールデン・グローブ賞、アカデミー賞の受賞一致数⇒作品賞8回(『イングリッシュ・ペイシェント(1996)』、『タイタニック(1997)』、『恋におちたシェイクスピア(1998)』、『アメリカン・ビューティー(1999)』、『グラディエーター(2000)』、『ビューティフル・マインド(2001)』、『シカゴ(2002)』、『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還(2003)』)/監督賞6回 ―そしてさらに、物凄く素朴なことですが、 〔3〕矢張り、世界商品としての映画に携わるハリウッドを中心とした映画関係者が投じる票によって各部門の授賞が決まる訳ですから、より、多くの人が映画らしさを享受出来るもの、幾度となく鑑賞に誘われるものが選ばれる傾向は強いと思います。 例外はありますが、悲痛なばかりで希望を明示しない映画は好まれないかとは…思います。 そう、僕が前回「第78回アカデミー賞授賞式」の映像を眺めながら感じたことの一つは、オスカーのノミネートが初めて、或いは、この大舞台自体が初めてという映画人が多かったこともあり「初々しい顔ぶれで中々新鮮だな」というものでした。思えば、今を時めくポール・ハギスですら、前回のアカデミー賞で監督処女作の『クラッシュ』が作品賞の栄冠を手中にするまでは、その顔貌、容姿すら、僕ら映画ファンには殆ど知られていなかった訳ですよね…。そう、この年のアカデミー賞は、ポール・ハギスという映画人を世に大きく知らしめた最初としても多くの人の記憶に刻まれていることでしょう。 した際のポール・ハギス〔右〕とキャシー・シュルマン さて、一方、今回の授賞式に集う顔ぶれにあっては、スコセッシ、イーストウッド、ストリープと云った現在のハリウッドを支えるビッグ・ネームがあり、 (コメディ・ミュージカル部門)を受賞したメリル・ストリープ。今回のオスカーでは、 『プラダを着た悪魔』で通算11度目のアカデミー主演女優賞にノミネートされている。 また、ピーター・オトゥール、ヘレン・ミレン、スティーヴン・フリアーズ(※『クィーン』で2度目のアカデミー監督賞ノミネートを受ける)ら、英国(およびアイルランド)出身の大ヴェテランたちがあり(―残念ながら、007シリーズの“M”役などでも広く知られるジュディ・デンチは膝の手術の為に今回は不参加とのこと)、 加えて、フォレスト・ウィッテカー(※『ラストキング・オブ・スコットランド』で初のアカデミー主演男優賞ノミネートを受ける|下Ph)、ジャイモン・フンスー、マーク・ウォルバーグといったタフガイ、強面(こわもて)顔^^が授賞式会場「コダック・シアター」最前席あたりに居座ることとなるであろう、 そんな今回の候補者たちの顔ぶれから僕が感じるものは「強(したたか)かさ」「ふてぶてしさ」^^といったものですかね…。 そう、今回の司会者(ホスト)は、あの『ファインディング・ニモ』(2003)の“ドリー”の声をあてたことで日本の映画ファンには最も良く知られているであろうエレン・デジェネレス/Ellen DeGeneres〔◆IMDb◆公式サイト〕な訳ですが、或いは、エレンこそが「第79回アカデミー賞授賞式」にあっての最も過激、かつ、ふてぶてしいキャラクターかもしれませんね…。((^^) 兎にも角にも、エレンならば、この映画界最大のセレモニーを騒々しくも^^賑やかでスリリングで楽しいショーへと導いてくれることでしょう! 右上=ニモ、右下=ドリー(声=エレン・デジェネレス) 番組“The Ellen DeGeneres Show”中のスチル。 左は、前回「第78回アカデミー賞」の司会者ジョン・スチュワート そう、僕のアカデミー賞予想に於けるスタンスの一つは、何もアカデミー賞の栄冠を得るものが、その一年間のアメリカ映画にあっての作品、演出、演技、脚本、音楽等々、さらには、技術各部門に於ける質的な最高峰であるとは限らないということ。まぁ、そこいら辺りを踏まえつつ、今年も仲間内の予想を御披露目しつつ気楽に遊んでみることと致します。 ―尚、以下、助演女優賞予想から始まり、最後に作品賞予想と為っています。 さて、実はこの水曜(2/21)までに、僕を含む4人の予想(juneさん、Kazさん、ホームズさん、および、ダーリン/Oh-Welの予想)が集まっていたのですが中々まとめる時間が持てずにおりました。遅まきながら、例年通りに「4者によるアカデミー6部門受賞予想」をお披露目いたしま~す。 尚、勝者決定のルールは前回、前々回と同様。よって、前回の文章を以下に置いておきます。 5部門以上当てた場合に限り(―予想6部門中の5部門ですから厳しいですよ~、このハードルの高さが“ダーリン流”)、その人は「3月以降に観たい映画の鑑賞券1枚」を私ことダーリンにリクエストできるというルールです、慎(つつ)ましいご褒美ですが皆燃えています。(^^) >>それではまず、助演女優賞から... ◆◆候補者、および、予想 * アドリアナ・バラッザ~『バベル』 * ケイト・ブランシェット~『あるスキャンダルの覚え書き』⇒Kazさん * アビゲイル・ブレスリン~『リトル・ミス・サンシャイン』⇒ダーリン * ジェニファー・ハドソン~『ドリームガールズ』⇒juneさん * 菊地凛子~『バベル』⇒ホームズさん ●アカデミー助演賞というのは、主演賞とは異なって一世一代の演技などというものを評価するというよりは、演技巧者と見なされている人がちょっと目立つ映画でいつも通りの仕事をすれば、それだけで十分に票が集まるもののように僕は捉えています。ただ、素晴らしい演技であろうが、2、3年といった余りに短期間の内に続けてオスカーを授与されるケースは皆無ではないでしょうか。よって、2年前のオスカーで助演賞(『アビエイタ―』)にノミネートされ見事栄冠を掴んだケイト・ブランシェットは今回の受賞は無いなと思います。 そうなりますと、まず一つには、アドリアナ・バラッザ(Adriana Barraza)という女優に思いが及びます。彼女は、それこそ『アモーレス・ペロス』(1999)、そして、今回の助演女優賞候補の対象作品となった『バベル』(2006)と云ったアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督作品に出演するまでは日本の映画ファンに取っても殆ど無名だったものの、これまでにメキシコ本国にあっては、TV、映画を合わせれば少なからぬ出演作があり、加えて、監督や製作者としても活躍する才人のようですから、そんなアドリアナ・バラッザが培ってきた演技というものを『バベル』の役どころからきちんと見極めて評価する票もそれなりに集まるのではないかと推察します。 しかし、矢張り侮れないのは、アビゲイル・ブレスリン〔※上Ph〕。 これまで、10歳ほどの子役(特に女優)が天才的な演技を示したデヴュー作、ブレイク作といったものには案外気前良く^^オスカーの栄誉を与えて来た(※『ピアノ・レッスン(1993)』でのアンナ・パキンの助演女優賞、『ペーパー・ムーン(1973)』でのテイタム・オニールの助演女優賞等々)アカデミー賞ですから、今回、非凡な演技を見せたアビゲイルも可也票を集めるのではないかと僕は思う次第です。 ・よって、僕はアビゲイル・ブレスリンを本命に置きます。 ・対抗としてアドリアナ・バラッザ。 ・そして、大穴としては、菊地凛子〔※下Ph〕を置いておきます。菊地凛子ですが、英字サイトなどを斜め読み((^^;する限りですと、この女優の新鮮さが案外好感を持ってアメリカ人に受け入れられているかと僕なりに思えているものですから…。 >> 助演男優賞 ◆◆候補者、および、予想 * アラン・アーキン~『リトル・ミス・サンシャイン』 * ジャッキー・アール・ヘイリー~“Little Children”(原題) * ジャイモン・フンスー~『ブラッド・ダイヤモンド』⇒ホームズさん * エディ・マーフィ~『ドリームガールズ』⇒Kazさん * マーク・ウォールバーグ~『ディパーテッド』⇒juneさん、ダーリン ◆以下、「助演男優賞予想」の続き、および、主演女優賞、主演男優賞、監督賞、作品賞の予想に続く>>> |
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by oh_darling66
| 2007-02-20 23:47
| *映画雑談
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■〔映画雑談Vol.32〕マーティン・スコセッシ関連覚え書き―その2(音楽篇) |
―& 新宿初のシネコン「バルト9」オープン、スコセッシの次回作と目されるストーンズのライヴ・ドキュメンタリー・フィルムについてのプチ・メモ≪→こちら!≫etc. こんばんは、ダーリン/Oh-Wellです。 今日2月11日「建国記念の日」を含むこの3連休、皆さん、いかがお過ごしでしょうか。 ここ東京は、昨日は終日曇り空だったものの、今日は肌寒くはありましたが終日晴天、天気予報によれば明日も晴天が続くとのこと(→goo天気)。 そう、明日、僕ら夫婦は午後から新宿に出る予定なのですが、買い物(―妻にヴァレンタイン・デーの贈り物を買ってもらいます(^^)v)を済ませた後、この9日にオープンした新宿初のシネコン「バルト9」(※下Ph4点は2/5に撮影した開業前の外観)での映画鑑賞初体験と相成るはず。ここでの記念すべき^^初鑑賞作品はの作品は『マリー・アントワネット(2006/ソフィア・コッポラ)』〔◆IMDb◆Movie Walker〕と為りそうなのですが(―実は、『タンポポ(1985/伊丹十三)』〔◆jmdb◆IMDb〕をここでの初鑑賞作品にしたくもあったのですが、23:20~25:30での上映時間しかないので止む無く諦めます...)、遅からずここで現在上映しているデジタル映像(※ここでは9つのシアター全てがデジタル上映となるらしい)での『硫黄島の手紙』(2006/イーストウッド)や『ディパーテッド』(2006/スコセッシ)も観ておきたいと思っています。 兎にも角にも、僕などに取っては、買い物に、食事や飲み会を含めた遊びにと、あれこれでもって最も出向く機会の多い街の一つ「新宿」に夜遅くまで新旧の映画を上映してくれるシネコンがまず一つオープンしてくれたことは大きな喜びです! さて、月初めの御挨拶に続く2月第2回目のエントリーは、「マーティン・スコセッシ関連覚え書き―その2(音楽篇)」です。前回の「マーティン・スコセッシ関連覚え書き―その1」が未完成のままであるのにも関わらず、“その2”な訳ですが^^、 一つには、当ブログ開設の年から御交遊いただいているAudio-Visual Trivia for Movie & Music/koukinobaabaさんから当方「マーティン・スコセッシ関連覚え書き―その1」にお寄せ頂いたコメントにお返事を書きながら、自分がこれまで鑑賞して来たスコセッシ映画十数本を概観するようなエントリーには少々手こずるけれど、スコセッシ映画に於ける重要な要素の一つとなる「音楽」についての覚え書きだけならば大まかなものは書き纏(まと)めまとめられるかなと思えたことが切っ掛けで今回のエントリーと相成った次第です。まぁ、書けるところから書いておくと…。 まずは、 ●●マーティン・スコセッシ関連覚え書き―その2(音楽篇) ●上Phは、「第79回アカデミー賞」ノミネートで通算6度目のアカデミー監督賞候補 となったマーティン・スコセッシ。果たして初のオスカー監督賞の栄冠を勝ち取れる か否か、授賞式ではこれまで以上に^^映画ファンの注目を浴びることでしょう。 さて、まず、僕がこれまでに鑑賞して来たスコセッシ作品中のオリジナル・スコアとして殊に印象深く残っているものを挙げてみますと(―※例えば、『ラスト・ワルツ(1978)』などは映画の為にロビー・ロバートソンらが書き下ろした楽曲もあるのですが、ここでは別扱いとします)、 まずは、バーナード・ハーマンの遺作となった『タクシー・ドライバー(1976)』〔◆当ブログ内・関連エントリー〕は僕に取っても別格的なもの。 また、フィリップ・グラス〔◆公式サイト◆IMDb〕による『クンドゥン』(1997)での充実したスコアやハワード・ショアの幾つかのスコアも忘れがたいのですが、『タクシー・ドライバー』に続くものとして特記しておきたいのがピーター・ゲイブリエル/ガブリエル〔◆公式サイト◆IMDb〕による『最後の誘惑』(1988)のスコア。これは、ジェネシス脱退後ソロ活動に入り、殊に、三枚目のソロ・アルバムPeter Gabriel III(1980)製作の頃からアフリカ、アジアを始めとした地域音楽に独自のアプローチを続けていたゲイブリエルによる民俗音楽を取り入れた音楽創作の一大成果であり、同時に、最良の映画スコアともなっている濃密な音楽創造かと思えています。映画初鑑賞の後にはしばらく映画のあれこれがゲイブリエルの音楽と共にじわり甦って来たことを今でも思い起こせます。 マーティン・スコセッシ最新作 の『ディパーテッド』でのハワード・ショア〔◆公式サイト◆IMDb〕によるスコアもまた出色の出来栄えだったかと思います。ショアによる登場人物たちが内に抱える悲痛、野望、驕り、孤独、葛藤などと云ったものを不穏に、或いは、痛切に、或いは哀調をもって彩る繊細さとパワフルさが相俟つ個々の楽曲を持ってしての音楽演出は、ストーンズ、ピンク・フロイドを含む1950年代から1970年代に架けてのRock、R&Bから直近のNY・アンダーグラウンド・ヒップホップまでの楽曲、さらに、オペラやアイルランド民謡などの余韻とも相俟って、実に、この『ディパーテッド』という映画に一貫する不穏、哀しみ、痛切と云ったところを忘れがたいものにしていたかと思い起こす次第です。 そう、『ラスト・ワルツ』(1978)以降、スコセッシに取っての映画製作上の良きパートナーでもあるロビー・ロバートソンが関った作品ですと、Rock、ポップス、ジャズ、カンツォーネ、加えて、バッハ(マタイ受難曲)までを擁した多様多彩な楽曲群に圧倒される『カジノ』(1995)が僕に最も強い印象を残してくれました。 本作『カジノ』では、ストーンズの楽曲が実に5曲(“Sweet Virginia”、“Gimme Shelter”、“Heart of Stone”、“Can't You Hear Me Knocking”、加えて、Devoによる“(I Can't Get No) Satisfaction”)使われているのですが、そのストーンズの余韻はもとより、 オープニング・クレジットに流れ、更には、ラストの主人公のヴォイス・オーヴァーに被さる「マタイ受難曲」のインパクト、エンディングからエンディング・クレジットに跨(またが)って流れる「カミーユのテーマ」(ジョルジュ・ドルリュー作曲、『軽蔑(1963/ゴダール)』中のブリジット・バルドー扮するヒロイン“カミーユ”のテーマ曲)がもたらすカタルシスも僕に取っては忘れがたいものとなっています。 補足) >>ジョルジュ・ドルリュー関連 1.■〔映画評Vol.1〕『アメリカの夜』(1973/フランソワ・トリュフォー)⇒当ブログ内 2.『軽蔑』サントラ(※Amazon) そう、スコセッシはロビー・ロバートソンが音楽に関わった映画でのみならず、『ミーン・ストリート』(1973)等キャリア初期の頃から映画のシーン、登場人物のキャラクター性を印象深いものとする既存の楽曲の選曲に非凡なところを見せており、ことに、新旧Rock、Popsに於ける選曲の良さには僕もこれまでの多くのスコセッシ映画で心痺れさせられています。 例えば、『ミーン・ストリート』に於ける、ロバート・デ・ニーロ扮するリトル・イタリーの厄介者たるジョニー・ボーイ〔※下Ph左〕が仲間がたむろするバーに現れ主人公チャーリー(ハーベイ・カイテル)の方に近づいて来るシーンなどは、その、スローモーション映像の中にあるジョニー・ボーイの妙にエキセントリックな笑顔や素振りが醸し出すものが、バックに流れる“Jumping Jack Flash”の音と束の間一つになることで只ならぬスリリングさを産み出していたかと思い起こしますし、 『ディパーテッド』(2006)の冒頭に流れる“Gimme Shelter”は、ジャック・ニコルソン扮するボストン南部地区を牛耳るギャング・ボスたるフランク・コステロのヴォイス・オーヴァーに始まる冒頭シークェンスが示すアイルランド系アメリカ人の悲哀の歴史とコステロ自身の狂気とカリスマ性相俟つキャラクター性、さらには、少年時代のコリン(後にマット・デイモンが演じるキャラクター)に自身と同じ資質を見抜き自分の世界に引き込んで行く場面を容易に忘れがたいものとしていましたし(―この“Gimme Shelter”は『カジノ』でもジョー・ペシ扮する凶暴なやくざ者ニッキーとその一味が宝飾品強奪を重ねるシークェンスで使われている)、また、コステロ率いるアイリッシュ・ギャングに警察官の身分を隠し潜入せんとするビリー(レオナルド・ディカプリオ)とコステロがバーで始めて会うシーンなどでは、この二人の愈々の接近が観客に与える緊迫感がこのシーンで流れる“Let It Loose”(ストーンズ)の美しいスロー・テンポの旋律によって却って不穏な緊迫度が高まりもし曰く云い難い胸騒ぎのするシーンを実現していたように思えます。 さて、スコセッシの映画作家としての非凡は、広く言えば「アメリカ音楽」を題材にした際のドキュメンタリーにもよく見て取れるかと思います。 そう、『ラスト・ワルツ』(※下Ph)、『ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム』(2005)にあっては、フォーク・ロックの雄たるディラン、そのディランのバック・バンドからキャリアを飛躍させたと言えようザ・バンドを扱って、(単に彼らが果たしてきたRock、フォーク等々でのキャリアに於いてのみならず、)スコセッシ自身が長く深い愛着を寄せて来た自国の大衆音楽、ルーツ音楽への幅広い見識が彼らミュージシャンのバックボーンにあるものを巧まずして引き出しつつ、映像、インタビューの悉くがまばゆく濃密な、一つのアメリカRock史概観、アメリカ音楽史概観ともいえるドキュメンタリーにそれぞれを結実させていたかと思う次第です。 ニール・ヤング、リック・ダンコ、ヴァン・モリソン、ボブ・ディラン、ロビー・ロバートソン さてさて、そんなスコセッシの次回作と目されるのがストーンズのライヴ・ドキュメンタリー・フィルム! 所謂ワーキング・タイトルが“Shine A Light”とされているものです。 映画自体がまだポスト・プロダクション段階ですから、現在まで映画の詳細は殆ど発表されていない訳ですが、どうやら、最初の披露目は今年9月の「トロント・フィルム・フェスティヴァル」を予定しているようです。 そう、『ディパーテッド』の日本版パンフレット中の記事によれば、昨年10月28日、29日にビーコン・シアターで行われた“ア・ビガーバン・ツアー”〔◆公式サイト◆当ブログ内・関連エントリー〕ニューヨーク公演のステージが撮影されたとのこと。 本作にあっては、ストーンズ狂のスコセッシのことですから満を持して製作、撮影に挑んだことでしょう。そんな彼の4人のメンバーへのインタヴュー映像、既に撮影されたライヴ映像、劇中織り込まれるであろう過去の映像等々を擁して如何なるフィルムが誕生するのか、『ラスト・ワルツ』に匹敵するようなライヴ・ドキュメンタリー・フィルム、Rock映画と相成ることか…などと云った按配に僕などあれこれ期待が膨らむばかりですが、まずは、無事に映画が完成することを祈りたいと思います! |
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by oh_darling66
| 2007-02-11 23:52
| *映画雑談
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●月初めのちょっとした^^ご挨拶―vol.2 |
●●こんにちは、ダーリン/Oh-Wellです。 さて、ここ東京では2月に入ってから晴天日が続いています。 そう、暦の上では「立春」も過ぎましたね。 しかし、この冬は確かに「暖冬」とは言えようものの、僕など、ここ数日だけを思い起こしてみても夜半から朝方に架けては可也冷え込むように感じています。 まぁ、お互いに風邪など引かぬよう、仕事に遊びにほどほど^^に勤しんで参りましょう。 さてさて、すっかりマイペース更新となっている当ブログですが、今月は、 「第79回アカデミー賞」(※米西海岸時間で2月25日開催)の直前予想〔◆前回予想◆予想結果〕、 (OSCAR.com 公式サイト)>2:Academy of Motion Picture Arts and Sciences (映画芸術科学アカデミー公式サイト)|★公式日本語サイト また、『ディパーテッド(2006)』〔◆初鑑賞時のプチ・メモ〕や『あるいは裏切りという名の犬(2004/オリヴィエ・マルシャル)』 〔◆IMDb◆Movie Walker〕の鑑賞メモ、 そして、先日来中途半端なままになっているマーティン・スコセッシ関連覚え書き―その1≪→こちら~!≫、さらには、スコセッシ関連覚え書き―その2 ―等々、形にしておきたいものが少なからずありますので、そう…、前月のエントリー数(=3/or4エントリー^^)に一つか二つは上乗せ出来るかと思っています。また、先の1月は中々皆さんのところに頻繁には伺えなかったのですが、今月はあれこれで遊びに伺いたく思っております。 そんなこんなの按配ゆえ^^この2月も何卒宜しくお願いいたしま~す! |
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by oh_darling66
| 2007-02-05 13:05
| ●月初めのご挨拶
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