■〔映画雑談Vol.33〕第79回アカデミー賞(2月25日)を楽しむ! |
その1・「映画鑑賞券争奪((^^)・4者によるアカデミー賞6部門受賞予想篇」≪→直接飛ぶ≫ その2・「アカデミー賞結果篇」(⇒こちら!) こんばんは、ダーリン/Oh-Wellです。 そろそろ、仕事の方も楽に為りそうなのですが、「映画鑑賞メモ」にしても途中までに為っている「スコセッシ関連覚え書き」にしても、ぼんやりとあれこれをイメージする時間が持てず中々完成した形になりません。まぁ、のんびりと書けるものから書いてまいりますので何卒宜しくお願いいたしま~す。(^^)v ―さてっ、 「第79回アカデミー賞授賞式」(※米西海岸時間2月25日、LAコダック・シアターにて開催)もいよいよ5日後に迫って来ましたね! 下=「候補者公式昼食会」会場前の菊地凛子(助演女優賞候補~『バベル』) ◆◆アカデミー賞公式サイト >1:OSCAR.com - 79th Annual Academy Awards(OSCAR.com 公式サイト) >2:Academy of Motion Picture Arts and Sciences(映画芸術科学アカデミー公式サイト)|★公式日本語サイト >3:WOWOW(生中継:2月26日AM9:30~/再放送:27日PM20:00~) そう、例年のことながら、日本にあっては「アカデミー賞授賞式」までにすべての候補作品を観れる訳ではありませんから(※作品賞候補5作品に関しては、既に公開されたものが『硫黄島からの手紙』、『リトル・ミス・サンシャイン』、『ディパーテッド』の3作品。残りの2作品『バベル』〔◆公式サイト〕、『クィーン』〔◆公式サイト〕は4月GW公開予定とされている)、その受賞予想は中々難しいものですよね。 ただ、矢張り、予想を持った上で授賞式当日に臨んだ方が授賞式当日のスリルが増すこともまた経験上実感して来ており、今年も僕の身近な仲間内3人と共に「4者によるアカデミー賞6部門受賞予想」をしてみた次第です。 サミュエル・ゴールドウィン・シアターに於ける作品賞候補発表中スチル。中央の 二人はサルマ・ハエック〔左〕、映画芸術科学アカデミーのシド・ギャニス会長〔右〕。 作品賞候補5作品は、『バベル』(2006)、『ディパーテッド』(2006)、『硫黄島から の手紙』(2006)、『リトル・ミス・サンシャイン』(2006)、『クィーン』(2006) ゴンザレス・イニャリトゥ(『バベル(2006)』)、マーティン・スコセッシ(『ディパー テッド(2006)』)、クリント・イーストウッド(『硫黄島からの手紙(2006)』)、スティーブン・ フリアーズ(『クィーン(2006)』)、ポール・グリーングラス(『ユナイテッド93』(2006)) ―さて、 今回のエントリーは、当ブログで3度目の4者による「アカデミー賞6部門受賞予想」〔◆前回(第78回アカデミー賞)◆前々回(第77回アカデミー賞)〕な訳ですが、遅まきながら、オスカーを獲る可能性の強い作品、演技の特徴なり傾向なりが僕なりに多少は分かって来たようにも思います。^^ 例えば、 〔1〕演技賞、ことに、主演男女優賞に於いては、実在の、或いは、実在した著名人を演じた演技でノミネートされた場合は、それだけで高いアドバンテージとなる。同じ俳優からの票も素直に集まりやすい。 〔2〕前哨戦とされる授賞セレモニーに於いては、例えば「ゴールデン・グローブ賞」と「アカデミー賞」の受賞作、受賞者が一致するケースは少ないとも言われがちだが、ここ10年の作品、監督に限ってみてみると「LA批評家協会賞」などと比べれば一致数は多い。 ◆過去10年の、ゴールデン・グローブ賞、アカデミー賞の受賞一致数⇒作品賞8回(『イングリッシュ・ペイシェント(1996)』、『タイタニック(1997)』、『恋におちたシェイクスピア(1998)』、『アメリカン・ビューティー(1999)』、『グラディエーター(2000)』、『ビューティフル・マインド(2001)』、『シカゴ(2002)』、『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還(2003)』)/監督賞6回 ―そしてさらに、物凄く素朴なことですが、 〔3〕矢張り、世界商品としての映画に携わるハリウッドを中心とした映画関係者が投じる票によって各部門の授賞が決まる訳ですから、より、多くの人が映画らしさを享受出来るもの、幾度となく鑑賞に誘われるものが選ばれる傾向は強いと思います。 例外はありますが、悲痛なばかりで希望を明示しない映画は好まれないかとは…思います。 そう、僕が前回「第78回アカデミー賞授賞式」の映像を眺めながら感じたことの一つは、オスカーのノミネートが初めて、或いは、この大舞台自体が初めてという映画人が多かったこともあり「初々しい顔ぶれで中々新鮮だな」というものでした。思えば、今を時めくポール・ハギスですら、前回のアカデミー賞で監督処女作の『クラッシュ』が作品賞の栄冠を手中にするまでは、その顔貌、容姿すら、僕ら映画ファンには殆ど知られていなかった訳ですよね…。そう、この年のアカデミー賞は、ポール・ハギスという映画人を世に大きく知らしめた最初としても多くの人の記憶に刻まれていることでしょう。 した際のポール・ハギス〔右〕とキャシー・シュルマン さて、一方、今回の授賞式に集う顔ぶれにあっては、スコセッシ、イーストウッド、ストリープと云った現在のハリウッドを支えるビッグ・ネームがあり、 (コメディ・ミュージカル部門)を受賞したメリル・ストリープ。今回のオスカーでは、 『プラダを着た悪魔』で通算11度目のアカデミー主演女優賞にノミネートされている。 また、ピーター・オトゥール、ヘレン・ミレン、スティーヴン・フリアーズ(※『クィーン』で2度目のアカデミー監督賞ノミネートを受ける)ら、英国(およびアイルランド)出身の大ヴェテランたちがあり(―残念ながら、007シリーズの“M”役などでも広く知られるジュディ・デンチは膝の手術の為に今回は不参加とのこと)、 加えて、フォレスト・ウィッテカー(※『ラストキング・オブ・スコットランド』で初のアカデミー主演男優賞ノミネートを受ける|下Ph)、ジャイモン・フンスー、マーク・ウォルバーグといったタフガイ、強面(こわもて)顔^^が授賞式会場「コダック・シアター」最前席あたりに居座ることとなるであろう、 そんな今回の候補者たちの顔ぶれから僕が感じるものは「強(したたか)かさ」「ふてぶてしさ」^^といったものですかね…。 そう、今回の司会者(ホスト)は、あの『ファインディング・ニモ』(2003)の“ドリー”の声をあてたことで日本の映画ファンには最も良く知られているであろうエレン・デジェネレス/Ellen DeGeneres〔◆IMDb◆公式サイト〕な訳ですが、或いは、エレンこそが「第79回アカデミー賞授賞式」にあっての最も過激、かつ、ふてぶてしいキャラクターかもしれませんね…。((^^) 兎にも角にも、エレンならば、この映画界最大のセレモニーを騒々しくも^^賑やかでスリリングで楽しいショーへと導いてくれることでしょう! 右上=ニモ、右下=ドリー(声=エレン・デジェネレス) 番組“The Ellen DeGeneres Show”中のスチル。 左は、前回「第78回アカデミー賞」の司会者ジョン・スチュワート そう、僕のアカデミー賞予想に於けるスタンスの一つは、何もアカデミー賞の栄冠を得るものが、その一年間のアメリカ映画にあっての作品、演出、演技、脚本、音楽等々、さらには、技術各部門に於ける質的な最高峰であるとは限らないということ。まぁ、そこいら辺りを踏まえつつ、今年も仲間内の予想を御披露目しつつ気楽に遊んでみることと致します。 ―尚、以下、助演女優賞予想から始まり、最後に作品賞予想と為っています。 さて、実はこの水曜(2/21)までに、僕を含む4人の予想(juneさん、Kazさん、ホームズさん、および、ダーリン/Oh-Welの予想)が集まっていたのですが中々まとめる時間が持てずにおりました。遅まきながら、例年通りに「4者によるアカデミー6部門受賞予想」をお披露目いたしま~す。 尚、勝者決定のルールは前回、前々回と同様。よって、前回の文章を以下に置いておきます。 5部門以上当てた場合に限り(―予想6部門中の5部門ですから厳しいですよ~、このハードルの高さが“ダーリン流”)、その人は「3月以降に観たい映画の鑑賞券1枚」を私ことダーリンにリクエストできるというルールです、慎(つつ)ましいご褒美ですが皆燃えています。(^^) >>それではまず、助演女優賞から... ◆◆候補者、および、予想 * アドリアナ・バラッザ~『バベル』 * ケイト・ブランシェット~『あるスキャンダルの覚え書き』⇒Kazさん * アビゲイル・ブレスリン~『リトル・ミス・サンシャイン』⇒ダーリン * ジェニファー・ハドソン~『ドリームガールズ』⇒juneさん * 菊地凛子~『バベル』⇒ホームズさん ●アカデミー助演賞というのは、主演賞とは異なって一世一代の演技などというものを評価するというよりは、演技巧者と見なされている人がちょっと目立つ映画でいつも通りの仕事をすれば、それだけで十分に票が集まるもののように僕は捉えています。ただ、素晴らしい演技であろうが、2、3年といった余りに短期間の内に続けてオスカーを授与されるケースは皆無ではないでしょうか。よって、2年前のオスカーで助演賞(『アビエイタ―』)にノミネートされ見事栄冠を掴んだケイト・ブランシェットは今回の受賞は無いなと思います。 そうなりますと、まず一つには、アドリアナ・バラッザ(Adriana Barraza)という女優に思いが及びます。彼女は、それこそ『アモーレス・ペロス』(1999)、そして、今回の助演女優賞候補の対象作品となった『バベル』(2006)と云ったアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督作品に出演するまでは日本の映画ファンに取っても殆ど無名だったものの、これまでにメキシコ本国にあっては、TV、映画を合わせれば少なからぬ出演作があり、加えて、監督や製作者としても活躍する才人のようですから、そんなアドリアナ・バラッザが培ってきた演技というものを『バベル』の役どころからきちんと見極めて評価する票もそれなりに集まるのではないかと推察します。 しかし、矢張り侮れないのは、アビゲイル・ブレスリン〔※上Ph〕。 これまで、10歳ほどの子役(特に女優)が天才的な演技を示したデヴュー作、ブレイク作といったものには案外気前良く^^オスカーの栄誉を与えて来た(※『ピアノ・レッスン(1993)』でのアンナ・パキンの助演女優賞、『ペーパー・ムーン(1973)』でのテイタム・オニールの助演女優賞等々)アカデミー賞ですから、今回、非凡な演技を見せたアビゲイルも可也票を集めるのではないかと僕は思う次第です。 ・よって、僕はアビゲイル・ブレスリンを本命に置きます。 ・対抗としてアドリアナ・バラッザ。 ・そして、大穴としては、菊地凛子〔※下Ph〕を置いておきます。菊地凛子ですが、英字サイトなどを斜め読み((^^;する限りですと、この女優の新鮮さが案外好感を持ってアメリカ人に受け入れられているかと僕なりに思えているものですから…。 >> 助演男優賞 ◆◆候補者、および、予想 * アラン・アーキン~『リトル・ミス・サンシャイン』 * ジャッキー・アール・ヘイリー~“Little Children”(原題) * ジャイモン・フンスー~『ブラッド・ダイヤモンド』⇒ホームズさん * エディ・マーフィ~『ドリームガールズ』⇒Kazさん * マーク・ウォールバーグ~『ディパーテッド』⇒juneさん、ダーリン ●さて、この助演男優賞候補もまた多彩な顔ぶれが揃ったものと感心します。 “Little Children”(2006/トッド・フィールド)でオスカー初ノミネートを受けたジャッキー・アール・ヘイリーなどは、僕に取っては、矢張り、『がんばれ!ベアーズ(1976/マイケル・リッチー)』の不良少年役〔※下Ph右〕での風貌や不敵な素振りのインパクトが今だ離れぬままだったりもします。 その他、『世界が燃えつきる日』(1977/ジャック・スマイト)、『ヤング・ゼネレーション』(1979/ピーター・イエーツ)などは、ジャッキー・アール・ヘイリー見たさに同じ思いの友人と映画館に足を運んだ記憶があります。まぁ、その後、俳優としてはやや伸び悩んだようですが、何はともあれ、ここに来て“Little Children”〔※下Ph〕という良い作品に恵まれ再び脚光を浴びることと為っている訳なのですね…。 また、エディ・マーフィに関しては、1980年代ひと頃の勢いを僕など感じられ無くなって久しく、実際に僕などは『ビバリーヒルズ・コップ2』(1987)までで彼の主演、出演映画の劇場観賞は止まっているのですが^^、そんな僕でも、ここ十数年以上、彼の主演作の予告篇やタイトルを映画館やヴィデオ店で眺めるたびに、毎年のように自らの主演でコメディ映画を延々と^^作り続けているみたいで大したものだよな^^などとはずっと思って来ました。ともかく、そんな彼が『ドリームガールズ』で久々に大きな脚光を浴びている訳なのですよねぇ…。 ―さて、本題に入りますが(^^)、僕は、この助演男優賞に於いては、アラン・アーキンとマーク・ウォールバーグに大注目しています。 そう、『リトル・ミス・サンシャイン』でのアラン・アーキン(1934年生|※下Ph)などは、毒舌な不良老人^^を演じてきっちりと観客の心をくすぐるような演技、存在感ながら、何と云うか、一方で欲の無い演技とでもいうところをも感じましたねぇ。詳細は伏せますが、もう、いきなり劇中から姿を消してしまって^^、しかし、殊更に観客に後を引かせないながらも静かにその存在が愛おしさと共に甦って来るあたりは、何ともこの人ならではの持ち味の反映だったかと僕は思い起こしています。 しかし、このアラン・アーキンのフィルモグラフィーなどを今更ながらに眺めてみますと矢張り中々目を瞠らされてしまいますねぇ。映画デヴュー作の『アメリカ上陸作戦』(1966/ノーマン・ジュイソン)からして、アカデミー主演男優賞にノミネートされ(※オスカーは逃したもののゴールデングローブ主演男優賞を獲得)、2年後の『愛すれど心さびしく』でもアカデミー主演男優賞にノミネートされているのですね…。 そして、この部門で僕が本命に推すのはアラン・アーキンでは無く^^、『ディパーテッド』(2006/スコセッシ)に於いて“硬派デカ”たるディグナム巡査部長を演じたマーク・ウォールバーグです!! 僕は、これまでも所謂“大根”な演技ぶりながら^^主役として画面栄えの利くスター性を持ったマーク・ウォールバーグの大贔屓だったのですが、いやはや、『ディパーテッド』で上手い演技の出来るスター俳優へと進化を遂げたのではないでしょうか…。もう、これまでに無い^^切れ味のある演技、これまでに無い^^頭も体も切れるキャラクターを説得力をもって演じ、何と言いますか、最後まで^^目を瞠るばかりでした。 よって、本命にはマーク・ウォールバーグを、 対抗には、勿論^^、愛すべき大ヴェテラン俳優たるアラン・アーキンを置いておきます。 >> 主演女優賞 ◆◆候補者、および、予想 * ペネロペ・クルス~『ボルベール<帰郷>』⇒Kazさん * ジュディ・デンチ~『あるスキャンダルの覚え書き』(※初夏公開予定) * ヘレン・ミレン~『クィーン』⇒ダーリン * メリル・ストリープ~『プラダを着た悪魔』⇒ホームズさん * ケイト・ウィンスレット~“Little Children”(原題)⇒juneさん ●さて、この主演女優賞は、本エントリー中で既に述べましたように、「演技賞、ことに、主演男女優賞に於いては、実在の、或いは、実在した著名人を演じた演技でノミネートされた場合は、それだけで高いアドバンテージとなる。同じ俳優からの票も素直に集まりやすい」とのオスカー・セオリーとも言えそうなところにならって、今回は、『クィーン』(2006/スティーブン・フリアーズ)に於いて、現在も御存命の英国女王エリザベスII世を演じたヘレン・ミレンを本命に置きます。若干の心配は、アカデミー賞が英国出身の俳優、監督にやや冷たいかということなのですが…。 実は、僕の贔屓女優の一人であるペネロペ・クルスが久々にペドロ・アルモドバル監督と組んだ『ボルベール<帰郷>』〔※下Ph〕などは大いに気に為ってはいますし、今年33歳となる女盛りのペネロペに今オスカーの栄誉が与えられたらとは強く思うものの、何せ、候補対象作品を観れていないので嬉々と持ち上げることも出来ず仕舞いでいます…。 そう、今回、主演女優候補を出した作品中で僕が観ているものはメリル・ストリープが主演した『プラダを着た悪魔』(2006/デヴィッド・フランケル)だけですので、以下は受賞予想の結論だけにとどめておきます。 ずばり本命にはヘレン・ミレンを置きます! 対抗にはペネロペ・クルスを置いておきます。 >> 主演男優賞 ◆◆候補者、および、予想 * レオナルド・ディカプリオ~『ブラッド・ダイヤモンド』⇒Kazさん * ライアン・ゴズリング~“Half Nelson”(原題) * ピーター・オトゥール~“Venus” (原題)⇒ホームズさん * ウィル・スミス~『幸せのちから』 * フォレスト・ウィッテカー~『ラストキング・オブ・スコットランド』⇒juneさん、ダーリン ●さて、この主演男優賞も先の主演女優賞と同様な理由でフォレスト・ウィッテカー〔※上Ph〕を本命に推します。つまり、『ラストキング・オブ・スコットランド』(2006/ケヴィン・マクドナルド)に於いては「実在の、或いは、実在した著名人」である、1970年代のウガンダにおいて独裁政権を敷いたイディ・アミン(Idi Amin Dada Oumee|1923(?)―2003)を演技巧者のウィッテカーが演じてアカデミー会員に評価され今回のノミネートと相成ったということだけでも既に他よりも高いアドバンテージを得ていると言わざるを得ないでしょう。 さて、『ラストキング・オブ・スコットランド』は、間もなく、3月10日からの公開予定〔◆公式サイト〕。 本作にあってはアミンというかつての残忍な独裁者をウィッテカーが演じることの抗い難い魅惑はもとより、ジェームズ・マカヴォイ〔※下Ph右端〕のような魅力的な若手俳優の共演もあって、僕に取っては、公開初日にでも映画館で目の当たりにしたい一作です!! そして、ここでもう一人触れておきたいのがピーター・オトゥール。僕はホームズさんが今年75歳になるピーター・オトゥール(1932年生)を本命に推したことに矢張り心痺れてしまいましたねぇ…。 僕は彼の出演映画を然程観ている訳でもありませんが、オスカー候補となった『アラビアのロレンス』(1962/デヴィッド・リーン)、『チップス先生さようなら』(1969/ハーバート・ロス)等での演技は言わずもがな、『おしゃれ泥棒』(1966/ウィリアム・ワイラー)、そして、僕が最後に観ている出演作『ラストエンペラー』(1987/ベルナルド・ベルトルッチ)等での彼の演技、存在感は今でもしみじみと甦って来るものがあります。僕が観てきた映画にあってオトゥールが演じた革命家(?)、教師、悪党(?)等々は、そのいずれのキャラクターに於いても、一つには、人間にあっての何と云うか、気高さの輝きとでも云ったものを彼ならではの魅惑的な演技、姿そのものでもって見せつけて深い余韻を与えてくれるもののように思い起こします。 さて、そんなオトゥールが今回オスカー候補となった“Venus”(2006/ロジャー・ミッシェル)ですが、もう、半月ほど前にちらとウェブ上で目にしたものの記憶ですと、オトゥール扮する老優が自分の身の回りの世話をしてもらう為に若い娘を同居させることになる。老優はその娘に振り回されながらもある種の恋心を抱いて行く…とでも言った内容だったかと思いますが、最早少々自信がありません(^^; ともかく、僕も日本公開の際には是非映画館で鑑賞したいと思っています。 ―えー、よって^^、 ・本命は言うまでも無く、フォレスト・ウィテカー!! ・対抗に、ホームズさんが本命に推すピーター・オトゥール! ・そして、大穴として『ブラック・ダイアモンド』のレオナルド・ディカプリオを置いておきます。そう、候補対象作ではなく、『ディパーテッド』での彼の演技を観ての思いなのですが、相変わらず“大人”の姿に為り切れない、しかし、一途な演技というものに僕はここに来て何か惹かれつつもある^^のです。 >> 監督賞候補 ◆◆候補者、および、予想 * アレハンドロ・ゴンザレス・イリャニトゥ~『バベル』⇒juneさん * マーティン・スコセッシ~『ディパーテッド』⇒ダーリン * クリント・イーストウッド~『硫黄島からの手紙』⇒ホームズさん、Kazさん * スティーブン・フリアーズ~『クィーン』 * ポール・グリーングラス~『ユナイテッド93』 左=ミヒャエル・バルハウス(撮影監督)、右=スコセッシ ●今回の監督賞候補にあっては、まずは、現在のアメリカ映画を支える大ヴェテラン監督でありアメリカ映画の巨匠と言えようスコセッシ、イーストウッドの二人が並んでいるだけでも僕などは胸騒ぎを覚えるばかりです。 そして、英国でキャリアをスタートさせ、『危険な関係』(1988)あたりからはハリウッド映画も多数手がけているヴェテラン監督たるスティーブン・フリアーズが2度目のアカデミー監督賞ノミネートをされているのも、近作の『ヘンダーソン夫人の贈り物』を楽しみ、『ハイ・フィデリティ』(2000)が大好きな僕に取っては素直に好感をいだくところ。何はともあれ、『クィーン』はこの監督にとってさまざまな意味合いで生涯最大の大当りとでもいうべきものに為っているようにすら見て取れますねぇ…。 それにしても、juneさんが監督賞にアレハンドロ・ゴンザレス・イリャニトゥ、その監督作品『バベル』を作品賞に置いているのを目の当たりにすると、もしや…との思いがふと^^過ぎりもします。 ・・・さて、本題ですが^^、もう、この監督賞候補、作品賞候補の両方にスコセッシ、イーストウッドの名があるのであれば、僕の一番の望みは「分け合って欲しい」ということ。僕は「監督賞にスコセッシ、作品賞にはイーストウッド」というあたりが最も綺麗な結果となるように思えているのですが^^、 ともかく、今回ばかりは、6度目のアカデミー監督賞候補となったスコセッシのもとに初のオスカーが輝くことを祈ります! そう、『ディパーテッド』という映画は僕に取って、痛切さに一貫した悲劇としても、また、ひりひりするようなヴァイオレンス・ムーヴィーとしても、不穏に心掻き立てられ目の離せぬ「物凄く面白いスコセッシ映画」でした。今、多くを語る余裕はありませんが、オリジナルのプロットを活かし、おそらくは脚本以上のものを目指したスコセッシの創意、パワフルな演出の賜物かと思います。 ―よって、ここは言うまでも無く、 本命はスコセッシ、対抗にイーストウッドです!! ―勿論、作品賞はイーストウッドに!! >> さて、最後に「作品賞」の予想です! ◆◆候補者、および、予想 * 『バベル』(アレハンドロ・ゴンザレス・イリャニトゥ)⇒juneさん * 『ディパーテッド』(マーティン・スコセッシ)⇒Kazさん * 『硫黄島からの手紙』(クリント・イーストウッド)⇒ダーリン * 『リトル・ミス・サンシャイン』(ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス) * 『クィーン』(スティーブン・フリアーズ)⇒ホームズさん ●いやはや、ここでの4人の予想は、また、見事に4つばらばらに分かれましたね。 これは最高にスリリングだなぁ~^^ さて、僕は、今回の候補5作品の内、『ディパーテッド』(2006)、『硫黄島から の手紙』(2006)、『リトル・ミス・サンシャイン』(2006)の3本を鑑賞しています。それぞれ、これまでに3回、2回、1回鑑賞しています。『リトル・ミス・サンシャイン』は僕に取っても愛すべき小品ですが、アカデミー作品賞という重たい栄冠はふさわしくないように感じます。オスカーの栄誉によらずとも長く愛され続けて行く映画ではないかと素朴に思えるのです。 さて、『硫黄島からの手紙』ですが、イーストウッドはこの映画に於いて、皇軍という絶対的価値観の中に生死が委ねられる日本軍からの視点というものに説得力を持たせながら彼の戦場の地獄図を端的さをもって示し得ていたのではないかと僕は思えています。そう、この映画もまた中々語りきれない映画の一つかと思うのですが、僕がこの「硫黄島二部作」の双方において殊更に感銘を受けていることの一つは、戦いから半世紀を経た硫黄島自体、そして、硫黄島に今尚残る傷跡をまなざすイーストウッドの姿勢。僕は、「硫黄島二部作」は今後尚多くの観客にまなざされて然るべき映画かと思います。 ―言わずもがな、ここでの本命は『硫黄島からの手紙』、対抗に『ディパーテッド』を置いておきます。そして、監督賞はスコセッシに与えられますよう。そう、つまりは、イーストウッドに作品賞、監督賞にはスコセッシと綺麗に分け合って欲しいというのが両者のファンである僕の願いです。 ―さて、「第79回アカデミー賞」に於ける4者による6部門受賞予想は以上の如し。 ・・・しかし、ほんの4人だけの6部門の予想ですら可也割れていますねぇ。助演女優賞、主演女優賞、作品賞など、お互いにまったく相容れない本命予想です。^^ 最後に、上記までに取り上げられなかった作品のメモを二つほど。 ●●“Little Children”(2006/トッド・フィールド) ⇒3部門(主演女優賞、助演男優賞、脚色賞)ノミネート 本作“Little Children”の監督であるトッド・フィールドは、製作、監督、俳優、脚本、さらには、作曲までと、多彩なキャリアを誇る映画人の一人。 そう、キューブリックの遺作『アイズ ワイド シャット(1999)』〔◆当ブログ内映画評〕では俳優として出演。トム・クルーズ扮する主人公の友人(ピアニスト|※上Ph)を演じていましたね。 ●●『パンズ・ラビリンス』(2006/ギレルモ・デル・トロ)⇒オリジナル脚本賞、外国語映画賞他6部門ノミネート 僕が今年これから公開される映画の中で、今から殊に惹かれている作品の一つが『パンズ・ラビリンス』(2006/ギレルモ・デル・トロ)。何でも、この映画にあるものは「スペイン内乱」を反映したダークな世界なのだとか。本エントリーの予想部門では「外国語映画賞」を扱いませんでしたが、本作は、この部門での僕の本命です。 さて、授賞式のTV中継など今から楽しみですね。受賞結果は如何なるものとなることでしょう。また、授賞式の後にも皆さんとあれこれでお喋りが叶えばと思っております。 それでは、皆さん、良き週末を!! 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by oh_darling66
| 2007-02-20 23:47
| *映画雑談
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